低湿地(読み)ていしつち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「低湿地」の意味・わかりやすい解説

低湿地
ていしつち

沖積平野などの低い所にあるじめじめした土地で、水はけが悪く、つねに湛水(たんすい)しているか、洪水時に湛水しやすい。湛水面積の広いものは沼沢とよぶが、厳密な区別はない。自然堤防の背後に生ずる後背湿地のほか、湖沼の進化の過程で、湖水が干上がったり、周囲からの堆積(たいせき)物の流入や植生の侵入によって埋め立てられて生ずる。沿岸洲や海岸砂丘の発達によって潟湖(せきこ)が埋め立てられた場合に生ずるものは潮汐湿地(ちょうせきしっち)という。塩分の多少によって塩性沼沢と汽水沼沢に分け、汽水沼沢は泥炭地となっていることが多い。植生に覆われた湿地を湿原とよぶこともある。平地や沼沢地に発達する低層湿原と、山地に発達する高層湿原とがある。

[髙山茂美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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