南都・北嶺(読み)なんと・ほくれい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南都・北嶺」の意味・わかりやすい解説

南都・北嶺
なんと・ほくれい

9世紀初め,最澄が比叡山延暦寺天台宗を開き南都六宗に対抗したときに生じた言葉。その後,南都諸大寺のうち興福寺が発展し,平安後期には南都は興福寺,北嶺は延暦寺を指す言葉となった。両者はともに荘園領主として巨大化し,その利権を守るため僧兵を擁して院政諸国受領に対抗した。朝廷 (院政当局) は南都 (興福寺) と北嶺 (延暦寺) の僧兵の強訴にしばしば手を焼かされた。白河法皇も天下三不如意の一つに山法師 (延暦寺の僧兵) をあげ,これを抑えることに腐心したという。

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