出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…それぞれ堂塔のほか,多数の社人や寺人をかかえており,四壁(境内)を越えて近傍の占有を競った。ここでは俗生活が許されたのでサト(里,郷)といわれるが,諸郷は平城古京の条坊制に沿って整然たる区画の街地に発達して社寺の都の観を呈し,王朝貴族はこれを南京,南都と呼んだ。やがて奈良が正称とされ,南都(南京)は雅称となる。…
…784年山背(城)国長岡京遷都によって平城京が廃されると,南大和の飛鳥地方に国府を設けていた大和国司が1国15郡を支配した。そのころ十五大寺が定まるが,これは南都七大寺(東大,興福,元興,西大,薬師,大安,法隆)に奈良の唐招提寺,新薬師寺,飛鳥の本元興寺,弘福寺(ぐふくじ)(川原(かわら)寺),京都の東寺,西寺,摂津の四天王寺,近江の崇福寺を加えたものであり(《延喜式》),これに飛鳥の両寺が加えられたのは飛鳥の復権を示している。しかし,奈良の社寺はその境内地を拡充して社寺の都の南都を出現させ,さらに社寺領荘園の設定に努めたため,国司との対立が激化した。…
※「南都」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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