地球・地毬(読み)ちきゅう

精選版 日本国語大辞典 「地球・地毬」の意味・読み・例文・類語

ち‐きゅう ‥キウ【地球・地毬】

〘名〙 人類の生活している天体。太陽系に属する惑星の一つで、特有の磁場をもつ回転楕円体。自転周期は約二四時間で、太陽の周囲を約三六五日の周期で公転する。月と呼ばれる一個の衛星を持つ。赤道半径約六三七八キロメートル。極半径約六三五七キロメートル。地殻マントル、核の三部から成り、質量約 5.98×1027 グラム。太陽からの平均距離約一億四九六〇万キロメートル。表面に水が多いこと、大気中に酸素が多量に含まれていること、表面に生物が存在していることなどが他の惑星にない特徴とされている。
※管蠡秘言(1777)「地球〈略〉支那、古へは地の本形を知らずして〈略〉或は地の下に四つの柱ありと云等の虚説をなせり。後世に至て欧羅巴の天地学を伝ふるに因て、始て地球と称す」
蘭学階梯(1783)上「天毬・地毬」 〔新法暦書〕
[語誌]明末、中国を訪れたイエズス会士マテオ=リッチによる造語。「天球」からの類推で考案されたと思われる。江戸期にイエズス会士らの書物を通じて日本にも伝わり、多くの蘭学書に用いられた。その後、「和蘭字彙」(一八五五)、「英和対訳袖珍辞書」(一八六二)などの対訳辞書にも収録され、一般化した。

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