大山崎神人(読み)おおやまざきじにん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「大山崎神人」の解説

大山崎神人
おおやまざきじにん

中世,京都石清水八幡宮の末社,山城国乙訓(おとくに)郡大山崎(現,京都府大山崎町)の離宮八幡宮の神人。本社に対し内殿灯油の貢納を負担し,本社・離宮間の神幸儀礼である4月3日の日使(ひつかい)の頭役を勤めた。代償として荏胡麻(えごま)の購入と荏胡麻油売買の独占権が認められたため,隊商を組んで西日本各地で荏胡麻を買い付け,諸国に油を独占販売した。地方の油商人の大部分はこれに屈服して新加神人となり,本所神人である大山崎神人の配下となった。神人の活動とともに大山崎は中世都市として栄え,室町幕府から公方(くぼう)課役免除,守護使不入,徳政免除などの特権を与えられた。しかしこれらの特権は戦国大名により否定され,近世には廃止された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大山崎神人の言及

【大山崎[町]】より

…古くからの交通・軍事の要地で,古代には山崎駅が設けられ,山崎津は長岡京,平安京の外港として栄えた。室町時代は灯油を中心に商業活動を行う大山崎神人(じにん)の最盛期で,その活躍が目だった(大山崎油座)。1582年(天正10)には豊臣秀吉と明智光秀が戦った山崎の戦の舞台となり,大坂城が築城されるまで秀吉の本拠となった。…

※「大山崎神人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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