天狗頼母子(読み)テングタノモシ

デジタル大辞泉 「天狗頼母子」の意味・読み・例文・類語

てんぐ‐たのもし【天×狗頼母子】

くじをまねたばくち一種曲物まげものに1から15までの木札を入れ、きりで突き刺して、札を当てるもの。
「右の手にきりを持ちて、―と名づけ、道行く人をたらし」〈浮・二十不孝・三〉
無尽の一種。くじに当たった者は、金を取った上にその後の掛け金を出さなくてよい頼母子講天狗無尽。
「無尽の沙汰には及び、―と人にはいはれ」〈風俗文選天狗弁

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精選版 日本国語大辞典 「天狗頼母子」の意味・読み・例文・類語

てんぐ‐たのもし【天狗頼母子】

〘名〙
① 無尽の一つ。くじに当たって金を取った者は、その後の掛金を出さないですむという頼母子講。天狗太郎坊の住む愛宕神社(あたごじんじゃ)で初めて興行したところからいうか。とりのきむじん。天狗無尽。
咄本狂歌咄(1672)四「願たてて祈りをかくるあたご山これぞまことの天狗だのもし」
富突(とみつき)をまねた博打(ばくち)の一つ。一から一五までの木札を曲物(まげもの)に入れ、錐(きり)で突きさして定められた当たり札を当てた者が金を得るもの。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第七八「はや雲抓む天狗頼母子〈井蛙〉 月は山影身に添ふてまもるへし〈西怡〉」

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