寿の門松(読み)ネビキノカドマツ

デジタル大辞泉 「寿の門松」の意味・読み・例文・類語

ねびきのかどまつ【寿の門松】

浄瑠璃山崎与次兵衛寿の門松」の通称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「寿の門松」の意味・わかりやすい解説

寿の門松
ねびきのかどまつ

浄瑠璃義太夫(じょうるりぎだゆう)節。世話物。三段。近松門左衛門作。1718年(享保3)1月、大坂竹本座初演。全盛の遊女藤屋吾妻(あづま)を身請けしたという山崎与次兵衛(よじべえ)の歌謡によった作で、七行本の正本(しょうほん)には『山崎与次兵衛寿の門松』とある。山崎与次兵衛は新町の遊女藤屋吾妻と深く契っているが、吾妻を恋した難波屋(なんばや)与平の真心に感じて義兄弟の約束をし、恋敵葉屋彦介に傷を負わせた与平の罪をかぶって、父浄閑(じょうかん)のもとで座敷牢(ろう)に入れられる。廓(くるわ)を抜け出た吾妻や与次兵衛の妻おきくの訴えで、浄閑は息子と吾妻を逃がし、のち江戸で成功した与平によって、吾妻は身請けされ与次兵衛と結ばれる。浄閑が升落(ますおと)しにかこつけて息子を逃がす愛情と、おきく・吾妻の女心を描写した中の巻「山崎の段」が有名。

[松井俊諭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「寿の門松」の解説

寿の門松
〔義太夫〕
ねびきのかどまつ

歌舞伎・浄瑠璃の外題
作者
近松門左衛門(1代)
初演
享保3.1(大坂・竹本座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報