全盛(読み)ゼンセイ

デジタル大辞泉 「全盛」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐せい【全盛】

人気勢力などが最も盛んな状態にあること。「全盛を誇る」「全盛時代」
遊女などに客が多くついて繁盛すること。
「姉なる人が―の余波なごり」〈一葉たけくらべ
はぶりのよいこと。また、そのように振る舞うこと。
「男振り見よげに我が女の手前の―こそ愚かなれ」〈浮・一代女・四〉
[類語]栄える繁栄繁盛にぎわう富む栄華最盛興隆盛ん盛大隆盛殷盛いんせい殷賑いんしん爛熟にぎわすにぎやかはやる盛る盛栄栄耀栄華共存共栄隆昌新興末広末広がり活況盛況盛会繁華花が咲く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「全盛」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐せい【全盛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. この上なく盛んなこと。栄華をきわめること。
    1. [初出の実例]「先逐武家全盛之跡、尤可善政哉」(出典:建武式目(1336)前文)
    2. 「仏の御国喜見城の全盛(ゼンセイ)も爰には勝らじ」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)五)
    3. [その他の文献]〔五代史‐郭崇韜伝〕
  3. 遊女などに他をしのぐほど客が多くついてはやること。遊女の売れっ子。人気のある俳優にもいう。
    1. [初出の実例]「いせのようたにて、きょねん中々ぜんせい」(出典:評判記・難野郎古たたみ(1666頃)吉田玉之丞)
    2. 「我が身はいにしへ陸奥(みちのく)とて全盛(ゼンセイ)をやりし太夫職」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)二)
  4. ( ━する ) はぶりのよいこと。豪奢。また、そのようにふるまうこと。みせびらかし。
    1. [初出の実例]「かの島原の御ぜんせい、昔になるやそなたぞと」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)一)
  5. 傲慢な態度。
    1. [初出の実例]「をかばしょのきゃくはいやだとのぜんせい」(出典:洒落本・其あんか(1786)其いほり)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「全盛」の読み・字形・画数・意味

【全盛】ぜんせい

盛りを極める。唐・劉希夷白頭を悲しむ翁に代はる〕詩 言を寄す、紅顏の子 應(まさ)にれむなるべし、死白頭の 此の白頭、眞にれむべきも 伊(こ)れ昔、紅顏の美少年

字通「全」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android