川棚(読み)かわたな

改訂新版 世界大百科事典 「川棚」の意味・わかりやすい解説

川棚[町] (かわたな)

長崎県東部,東彼杵(ひがしそのぎ)郡の町。人口1万4651(2010)。大村湾の北側に位置し,西は佐世保市,東は佐賀県に接する。東部には虚空蔵山,西部には弘法岳などの山地があり,中央部は大村湾に注ぐ川棚川下流の沖積低地である。南西部には大村湾に突き出した大崎半島がある。中心集落の川棚は,川棚川の河口にあり,JR大村線,国道205号線が通じ,地方港湾川棚港を有する。1942年に佐世保海軍工厰の分工厰が立地し,翌年には川棚海軍工厰となって,人口が急増した。第2次世界大戦後,工厰跡地には耐火煉瓦やタイルなど窯業を主とする工業団地が形成され,また78年には食肉加工工場も誘致され,町の基幹産業となっている。農業では米作ミカン,イチゴなどの施設園芸,畜産が中心。大崎半島にはクジャク園,国民宿舎などがあり,国民休養地,観光レクリエーション地区の指定を受けている。
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川棚[温泉] (かわたな)

山口県西部,下関市の旧豊浦町にある温泉。含重曹食塩泉,36~43℃。JR山陰本線川棚温泉駅の東方2km,鬼ヶ城連山のふもとにあり,江戸時代長府藩が領内唯一の温泉として保護を加えた。1610年(慶長15)にはすでに湯屋敷が9軒あったと記録されており,藩主のための御茶屋も建てられた。明治に入って民間に下付され,温泉町として発展した。響(ひびき)灘に近いため海水浴客も多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の川棚の言及

【川棚[町]】より

…大村湾の北側に位置し,西は佐世保市,東は佐賀県に接する。東部には虚空蔵山,西部には弘法岳などの山地があり,中央部は大村湾に注ぐ川棚川下流の沖積低地である。南西部には大村湾に突き出した大崎半島がある。…

【川棚[温泉]】より

…含重曹食塩泉,36~43℃。山陰本線川棚温泉駅の東方2km,鬼ヶ城連山のふもとにあり,江戸時代は長府藩が領内唯一の温泉として保護を加えた。1610年(慶長15)にはすでに湯屋敷が9軒あったと記録されており,藩主のための御茶屋も建てられた。…

※「川棚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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