幽遠(読み)ユウエン

デジタル大辞泉 「幽遠」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐えん〔イウヱン〕【幽遠】

[名・形動]奥深く、はるかなこと。また、そのさま。「幽遠な(の)趣」
「ことにこの霰を見ると―な気がした」〈犀星・性に眼覚める頃〉
[類語]深奥深遠深長遠大広遠

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精選版 日本国語大辞典 「幽遠」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐えん イウヱン【幽遠】

〘名〙 (形動) 奥深く、遠いこと。奥深くはるかなこと。また、そのさま。深遠。
正法眼蔵(1231‐53)身心学道暦日短促なりといへども、学道は幽遠なり」 〔後漢書‐桓栄伝〕

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普及版 字通 「幽遠」の読み・字形・画数・意味

【幽遠】ゆうえん(いうゑん)

深遠。〔荘子山木〕彼の其のは、幽にして人無し。吾(われ)誰(たれ)と與(とも)にかを爲さん。

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世界大百科事典(旧版)内の幽遠の言及

【ささめごと】より

…また,師正徹(しようてつ)の影響下に展開していると思われる,幽玄や艶(えん)を中心とした美論も注目に値する。特に幽玄をいっそう深化させた理念として〈幽遠〉の語を用い,単なる優美な風体にとどまらず,作者の精神の高さや清らかさがそこにしみ出る,清艶な美を追求している点は重要である。しかし,その理論は後代に十分継承されたとはいいがたい面がある。…

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