廉塾ならびに菅茶山旧宅(読み)れんじゅくならびにかんさざんきゅうたく

国指定史跡ガイド 「廉塾ならびに菅茶山旧宅」の解説

れんじゅくならびにかんさざんきゅうたく【廉塾ならびに菅茶山旧宅】


広島県福山市神辺町にある塾と邸宅跡。菅茶山は江戸時代後期の儒学者で、1748年(寛延1)に神辺(かんなべ)(現福山市神辺町)に生まれた。19歳のとき京都に遊学して朱子学を学び、その後、帰郷して神辺宿東本陣の東に私塾を開いた。塾は黄葉夕陽村舎(こうようせきようそんしゃ)と呼ばれていたが、福山藩の郷塾(ごうじゅく)となってからは廉塾と呼ばれた。藩内だけでなく西日本各地から塾生が集まり、頼山陽(らいさんよう)も門下生のひとりである。廉塾は敷地内の用水路の北側にあり、玄関から右方の3室は当時の講堂、西隅には土蔵や風呂場などがある。用水路を隔てたところに瓦葺き平屋建ての寮舎1棟がある。茶山の旧宅は瓦葺き2階建てで、塾の南、用水路をはさんで建ち、明治維新後修理増築を加えた箇所があるが、土蔵、納屋などとともによく旧態を保っている。塾と旧宅の一帯が1934年(昭和9)に国の史跡に指定され、1953年(昭和28)に国の特別史跡に指定された。廉塾跡から北北東約2kmのところに、菅茶山記念館がある。JR福塩線ほか神辺駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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