旺文社世界史事典 三訂版 「李 鴻章」の解説
李 鴻章
りこうしょう
清末期の政治家
曾国藩 (そうこくはん) の下で江蘇巡撫 (じゆんぶ) になり,太平天国が起こると,郷里の安徽省で淮軍 (わいぐん) を組織して太平天国およびそののち捻軍 (ねんぐん) の反乱を平定。1870年直隷総督兼北洋大臣となり,以後25年間その地位にあり,清の外交を一手に握る。その間,西洋の技術を導入して軍事・運輸・紡績などの近代工業をおこし,北洋海軍を育成して洋務運動に尽くした。外交面では天津 (てんしん) 条約・下関条約・北京議定書に調印し,極東外交の第一人者とされたが,藩属国の喪失,派閥勢力の増大,政治経済的利権の提供に終始し,中国の半植民地化を深化させた。
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