産子(読み)ウブコ

デジタル大辞泉 「産子」の意味・読み・例文・類語

うぶ‐こ【産子】

同じ産土神うぶすながみをまつる人。

うぶ‐ご【産子】

生まれたばかりの子。あかご。

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精選版 日本国語大辞典 「産子」の意味・読み・例文・類語

うぶ‐ご【産子】

〘名〙 (「うぶこ」とも) 生まれたての子。あかご。
御伽草子平野よみがへりの草紙(室町時代物語集所収)(室町中)「うみながしの地ごくを、見候へば〈略〉人ををく、うぶこをいだき、物おともきこへず」
浄瑠璃・弘知法印御伝記(1685)初段一人はただ今生れしうぶ子にて、死人をみれば我つま也」

うぶ‐こ【産子】

〘名〙 産土神(うぶすながみ)を同じくする人。
神道名目類聚抄(1699)四「此地に出生の児は、上下御霊社を産社とし、児を御霊の産子(ウブコ)とす」

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普及版 字通 「産子」の読み・字形・画数・意味

【産子】さんし

奴隷の子。

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世界大百科事典(旧版)内の産子の言及

【氏子】より

…中世末期から近世初期にかけて氏子の意味はさらに転化し,特権的な祭祀団を意味した〈氏人衆〉〈氏人等〉の語が消えて,郷村社会にふさわしい地域的祭祀団を示す〈氏子衆〉〈氏子中〉が登場した。江戸時代には氏神を産土(うぶすな)神とする考え方が一般化し,氏子が産子(うぶこ)と呼ばれる傾向も出るが,民衆の離村移住を統制するため幕府はこの産子の原理を援用して出生地の神社に氏子身分を固定しようとした(《徳川禁令考》)。 明治維新後,政府は祭政一致の方針のもとに氏子制度を法制化し,これによって寺請(てらうけ)制度に代わるキリシタン禁制と戸籍の整備をはかるとともに国民教化の単位とした。…

【産土神】より

…すなわち産土神は,ウブスナなる所生の土地にまつられた神として祖先または自分を含めた郷党社会を守護する神社ないし神格をいうのである。なお平安末期より〈産神〉の語が《今昔物語集》などに見え,室町時代には〈産神〉〈氏神〉ともにウブスナと読むことがあり,近世には産神を奉じる者を〈産子(うぶこ)〉と呼ぶにいたる。産土神(産神)と産子の関係は語義の上からもおのずと子供の出生に関連し,近世には初宮参りや一般の氏神参りを〈産土参(うぶすなまいり)〉と称したことも多い。…

※「産子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」