百済文化(読み)くだらぶんか(英語表記)Paekche munhwa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「百済文化」の意味・わかりやすい解説

百済文化
くだらぶんか
Paekche munhwa

朝鮮古代三国の一つ百済の文化。百済は早くから中国の南朝と通交し,その位置が初め旧楽浪,帯方の地にあったので朝鮮古代三国のなかで最も中国文化,とりわけ南朝の文化の影響を受けていたと思われる。学問としては儒学が盛んであったことは,五経博士と称される人々が来日していることでもわかる。また中国史料によれば陰陽五行,易の思想が行われ,暦も中国のものを採用していた。百済文化で注目すべきものは仏教が盛行し,多くの寺が建立されたことである。日本に初めて仏教や仏像を伝えたのも百済であった。有名な法隆寺百済観音のほか,百済の名を帯びた種々の文化財が存在することをみても,いかに百済文化が日本に深い影響を与えていたかが知られる。また百済音楽は百済楽名称で知られている。なお特筆すべきは医学で,易や暦と並んで発達しており,医博士と称する人たちが来日し,日本文化に大きな貢献をしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android