竹本大隅太夫(3世)(読み)たけもとおおすみだゆう[さんせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹本大隅太夫(3世)」の意味・わかりやすい解説

竹本大隅太夫(3世)
たけもとおおすみだゆう[さんせい]

[生]安政1(1854)
[没]1913
義太夫節太夫。本名井上重吉。鍛冶屋の息子で,10歳から稽古を始め,明治5 (1872) 年春太夫門下となり春子太夫を名のり,1884年3世大隅太夫を襲名。堀江座,近松座櫓下 (やぐらした。総座頭のこと) 。豊沢団平から受けた激しい稽古には数多くの逸話があり,その結果悪声ながら巧みな音遣いで写実的な表現に卓越,よく情を語り出し,近世名人の1人といわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の竹本大隅太夫(3世)の言及

【浄瑠璃素人講釈】より

…政界の黒幕と目された杉山茂丸は義太夫節を熱愛した。竹本摂津大掾,3世竹本大隅太夫,絃阿弥から聞いた話をもとに,義太夫芸の伝承,とくに〈風(ふう)〉の追求を通じ,古典芸術としての地位を確立せしめようとした。全部で84段の浄瑠璃ごとに,風にふれつつ,逸話や実際の語り方を述べるうちに,義太夫の芸の本質を明らかにした。…

※「竹本大隅太夫(3世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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