精巣炎(読み)せいそうえん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「精巣炎」の意味・わかりやすい解説

精巣炎
せいそうえん

おもに細菌感染によって精巣睾丸(こうがん))が炎症をおこしたものをいう。精巣上体副睾丸)の炎症が精巣に波及することはしばしばみられるが、精巣自体に炎症が原発することはむしろまれである。代表的なものは耳下腺炎(じかせんえん)性精巣炎で、成人流行性耳下腺炎おたふくかぜ)にかかった際にみられ、精巣の痛みと腫脹(しゅちょう)を呈するが1週間程度で快復し、そのあとに精巣が萎縮(いしゅく)することがある。通常、一側性であるが、両側性の場合には男子不妊症(男性に原因がある不妊症)の原因となることがある。このほか梅毒性の精巣炎などもまれにある。

[河田幸道]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android