耳下腺炎(読み)じかせんえん(英語表記)Parotitis

翻訳|parotitis

家庭医学館「耳下腺炎」の解説

じかせんえん【耳下腺炎 Parotitis】

[どんな病気か]
 唾液腺(だえきせん)のうち、耳下腺はもっとも炎症をおこしやすく、耳下腺炎でも頻度が高いのが、流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)(おたふくかぜ(「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」))です。小児に多い病気ですが、成人にもみられます。一度かかると生涯免疫を獲得します。
 何度も耳下腺炎をくり返す病気に反復性耳下腺炎(はんぷくせいじかせんえん)があります。無症状で慢性炎症のある耳下腺に、かぜや疲労などで体力が低下したときに口内の細菌が耳下腺の導管から入り、慢性炎症の急性増悪がおこる病気です。多くは10歳未満の男女にみられます。成人では女性に多くみられます。
 小児の反復性耳下腺炎は、ふつう成長とともに症状が軽くなりますが、まれに悪化することもあります。成人女性では、シェーグレン症候群でないことを検査で確認する必要があります。
[症状]
 片側または左右の耳下腺が腫(は)れて、痛みます。耳下腺を押すと耳下腺導管開口部からの排膿(はいのう)がしばしばみられます。抗生物質の内服によって1~7日で症状は消失しますが、数か月から数年の周期で反復します。
[治療]
 X線検査で慢性炎症の程度を調べます。耳下腺炎がおこるたびに耳下腺は壊れ、慢性炎症が悪化するので、耳下腺が腫れたら、できるだけ早期に抗生物質を内服します。
 また、むし歯や慢性扁桃炎(まんせいへんとうえん)は治療し、うがいをして口腔内(こうくうない)を清潔に保つことがたいせつです。

出典 小学館家庭医学館について 情報

精選版 日本国語大辞典「耳下腺炎」の解説

じかせん‐えん【耳下腺炎】

〘名〙 耳下腺が腫(は)れることを主徴とするウイルス性伝染病。食欲不振、頭痛、嘔吐(おうと)、発熱などの症状を呈する。流行性のものを俗に「お多福かぜ」という。流行性耳下腺炎。〔医語類聚(1872)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

緑酒

〘名〙 緑色の酒。よい酒。うまい酒の色としていう。※菅家文草(900頃)五・雨晴対月「緑酒猶催醒後盞、珠簾未レ下暁来鈎」※一高寮歌・嗚呼玉杯に花うけて(1902)〈矢野勘治〉「嗚呼玉杯に花うけて 緑酒...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android