精巣上体炎(読み)せいそうじょうたいえん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「精巣上体炎」の意味・わかりやすい解説

精巣上体炎
せいそうじょうたいえん

精巣上体副睾丸(ふくこうがん))に発生した炎症性病変の総称であるが、一般には非特異性精巣上体炎(特定の病原菌によるものでない精巣上体の炎症)をさし、特異性炎症を示す精巣上体結核は通常、別に扱われる。また、淋菌(りんきん)による精巣上体炎も別に扱われるが、現在はほとんどみられなくなった。精巣上体炎は通常、尿道炎や前立腺炎(ぜんりつせんえん)などから細菌が精管を通って精巣上体に達する。したがって、尿道のカテーテル操作後や前立腺の手術後などに多くみられ、原因菌としては大腸菌が多いが、青・壮年層ではクラミジアが原因となることが多い。経過によって急性と慢性に分けられる。

[河田幸道]

急性精巣上体炎

陰嚢(いんのう)内容の疼痛(とうつう)、腫脹(しゅちょう)、発熱などの症状を呈し、陰嚢の皮膚が赤くなる。精索(精管、血管、神経を包む索状物)に炎症が波及すると、鼠径(そけい)部(ももの付け根)の腫脹、圧痛下腹部鈍痛が認められる。安静を守り、陰嚢内容の挙上、抗菌薬投与などによって1、2週間で快復する。

[河田幸道]

慢性精巣上体炎

急性精巣上体炎から移行するものが多く、精巣上体に硬結しこり)、圧痛、不快感などが認められ、しばしば急性増悪を繰り返す。基礎にある尿路感染症や前立腺疾患の治療を含め、消炎剤や抗菌薬が投与されるが、手術を必要とする場合もある。

[河田幸道]

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