家庭医学館 「進行性核上性まひ」の解説
しんこうせいかくじょうせいまひ【進行性核上性まひ Progressive Supranuclear Palsy】
歩行障害(歩き方が不安定になって、後方へ転びやすい)、眼球(がんきゅう)の運動障害(下を見ることが困難になるために、階段を下りられなくなる)などの症状で発症します。
頸部(けいぶ)(くび)や躯幹(くかん)(胴体)の筋肉に、ジストニア(筋肉の強いねじれ)や固縮(こしゅく)(筋肉がかたくなる)といった、こわばりが強くなります。また、パーキンソン病の前屈姿勢とは対照的に、頭部を後屈させた状態がみられます。
さらに進行すると、嚥下困難(えんげこんなん)(ものが飲み込みにくい)、中等度の認知症なども加わります。
中年以降に発症し、4~7年で死亡することが多いものです。
[治療]
大脳基底核(だいのうきていかく)の変性疾患として、パーキンソン病(「パーキンソン病(特発性パーキンソニズム)」)と類似の病気と考えられ、抗パーキンソン病薬が用いられますが、効果は十分ではありません。