門(生物分類)(読み)もん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「門(生物分類)」の意味・わかりやすい解説

門(生物分類)
もん

生物を分類するときに類別に用いる一段階の名称。界(動物界、植物界に、近年は菌界が後者から分けられる)に次いで上位の分類段階が門であって、界と綱の間に位置する。門の分け方は学者見解によって異なるが、一般に体制、細胞、生殖法、発生様式などの基本的な相違によって区別される。普通、動物では20前後の門に分けられ、消化管排出器官体腔(たいこう)、循環系、呼吸器官、体節構造、発生過程などが問題とされる。植物では10前後の門があり、細胞壁の成分、生殖法、配偶子の鞭毛(べんもう)、葉緑素やほかの含有色素、管束などの特徴が相違として取り上げられる。菌界は、近年十数門に分割する提案がなされている。門の下位には亜門が置かれることが多い。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android