需要喚起策(読み)じゅようかんきさく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「需要喚起策」の意味・わかりやすい解説

需要喚起策
じゅようかんきさく

需要創出政策。国内経済全体の有効需要水準を高めるように意図された政策。成熟した資本主義において不況が発生し,操業短縮失業増大などを生じさせる主な原因は,資本設備や労働力は豊富であるにもかかわらず,個人消費や設備投資などの有効需要が供給に比べ不足していることである。このような不況から経済を救う方法としては,有効需要を高めるために政府財政金融政策を実施して,公共投資を増加させたり,民間の設備投資を刺激することなどがあげられる。さらにそれらは乗数効果を通して,所得増と消費需要を喚起させる。 1970年代後半から 80年代前半の低成長期にしばしば行なわれた赤字財政を伴った景気浮揚策は,需要喚起策の典型である。

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