αフェトプロテイン(読み)あるふぁふぇとぷろていん(その他表記)α-fetoprotein

日本大百科全書(ニッポニカ) 「αフェトプロテイン」の意味・わかりやすい解説

αフェトプロテイン
あるふぁふぇとぷろていん
α-fetoprotein

胎児肝臓で産生される胎児性タンパクの一種AFPと略称される。出生後にはほとんど産生されなくなるものの、肝がん細胞では産生がみられることから、腫瘍(しゅよう)マーカーとして肝細胞がんの診断と治療効果判定に広く用いられている。ただし腫瘍サイズが小さいうちは感受性が低く、早期診断には限界がある。また一方で、肝硬変慢性肝炎でも上昇することがある。

 ウイルス性肝疾患患者および非ウイルス性の肝硬変患者では、画像検査とあわせて定期的に血中のAFPを測定し、肝細胞がんの早期発見に活用する。肝細胞がんの治療後の再発指標としても用いられる。

 がん化に伴う糖鎖の変化をレクチンLCA)との結合性を利用して検出するのがAFP-L3分画比(AFP-L3%)検査で、肝細胞がんに特異的なマーカーとして、診断や再発の有無、悪性度の評価などに用いられている。

[渡邊清高 2019年11月20日]

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化学辞典 第2版 「αフェトプロテイン」の解説

α-フェトプロテイン
アルファフェトプロテイン
α-fetoprotein

略称AFP.ほ乳動物の胎児(fetus)の血液中に存在する主要糖タンパク質(65 kDa)で,α-グロブリン部分に含まれる.大人の血中にはほとんど存在しない.肝臓がんなどではふたたび出現するので腫瘍マーカーとなる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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