AFP(読み)えーえふぴー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「AFP」の意味・わかりやすい解説

AFP
えーえふぴー

フランスの通信社で、APロイターと並ぶ世界三大通信社の一つ。Agence France-Presseの略。アバス通信社(1835年設立)がその前身で世界最古。パリ解放後の1944年、旧アバスの施設と職員を引き継いで発足した。1957年1月1日法律により、客観的な情報収集と世界的な通信網を確保する自律的な「法人組織」となった。この法律により政府の直接の補助は禁止されているが、政府諸機関から配信料の形で収入の過半を得るほか、理事会15人のうち5人は政府が任命するなど、独特な半官半民の性格をもつ。しかし、予算の7割を国庫支出に仰ぎ、ジスカール・デスタン大統領が社長人事に介入(1978)した例もあり、運営面ではフランス政府から完全に独立していない。記者・カメラマン1300人を擁し、165か国に支局特派員を置く(2011)。仏・英・独・スペイン・ポルトガルアラビア語の6か国語で配信しており、とくにアフリカ中近東、ラテンアメリカ地域に強い。日本では時事通信社が配信している。

[小松原久夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「AFP」の意味・わかりやすい解説

AFP
エーエフピー
Agence France-Presse

現在フランスにおける唯一の国際通信社。 1944年創立。 40年フランスのドイツへの降伏に伴ってアバスビシー政府に接収されると,ロンドンに AFI,アルジェに AFA,またフランス国内に AIDとフランス・リーブルなど,レジスタンス運動と結びついた通信社ができた。それらが 44年のフランス解放後に合併し,アバスの通信部門を継承して (広告代理業部門は分離) AFP誕生。政府からの補助金を受け,最高管理機構に政府の代表者が参加しているが,民間の営利企業。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報