ギリシア神話の風の神。ヒッポテスまたは海神ポセイドンの子。アイオリア島に住み、風を洞穴または革袋の中に閉じ込めている。オデュッセウスが帰国の途中にこの島へ漂着したとき、風神は英雄を親切に迎え、出発の際には故郷のイタカ島への順風以外のすべての風を閉じ込めた革袋を贈った。しかし、オデュッセウスが寝ている間に仲間たちが中身を酒と誤ってあけたため、あらゆる風が吹き出てすさまじい嵐(あらし)がおこり、船はふたたびアイオリア島に打ち戻された。オデュッセウスはまたもや順風を求めてきたが、風神は神々の怒りを恐れて援助を断った。またアイオロスは、ギリシア人の祖ヘレンとニンフのオルセイスの子、およびポセイドンとアルネ(またはメラニッペ)の子(ともにアイオリス人の祖先)と同一視されている。
[小川正広]
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…風が弦を鳴らす琴。その名はギリシアの風神アイオロスAiolosに由来する。発端は伝説的で,干からびた亀の甲羅に残っていた腱などが風に鳴っていたのを見たヘルメスが弦楽器を作ったというほか,ひとりでに音が出る神秘性を扱った説がある。…
…松風の意味の松籟(しようらい)や電線のうなりなどもこの仲間である。エオルスの名はギリシア神話の風神アイオロスAiolosに由来する。日本には古くから虎落笛(もがりぶえ)という言葉があり,冬の季語になっているが,これは冬の季節風が柵や竹垣の狭いすき間を吹き抜ける時に出すエオルス音をいう。…
…ゼウスによって雷で打たれ地底の暗黒界タルタロスに投げこまれた怪物の王テュフォンTyphōnも風の主で,吹く方向と時期が不定の激しい旋風を地上と海上に吹き送り,人々を苦しめる。またアイオリアAioliaと呼ばれる青銅の城壁で囲まれた浮島には,アイオロスAiolosという名の風神が住んでおり,航海の途中この島に立ち寄ったオデュッセウスを歓待したうえに,彼に順風以外のすべての風を詰めた皮袋を持たせて出発させた。ところがオデュッセウスが眠っている間に,彼の家来たちが酒が入っていると思いこの袋の口を開けたため,たちまち暴風が吹き荒れ,船はまたアイオリア島に吹き戻されてしまったという。…
…面積115km2,人口1万0208(1981)。ホメロスの《オデュッセイア》では風の支配者アイオロスの住む島とされたので,エオリエ諸島Isole Eolieともいう。オリーブ,ブドウ,ブドウ酒の産地。…
※「アイオロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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