2013年に登録された世界遺産(文化遺産)。サハラ砂漠の南端にあるニジェールのアガデスは、砂漠への玄関口として知られる。アガデスにイスラム教王国が興り、ベルベル人系の遊牧民であるトゥアレグ族がこの地に定住するようになった15~16世紀に発展した都市で、当時の野営地の境界線が、今日の街路にも反映されている。隊商交易の十字路であるアガデスの歴史的な地区は、不規則な形状の11の区画に分けられており、その中に多数の土でできた住居や保存状態のよい豪華な宗教施設を擁する。なかでもすべて泥レンガで造られた高さ27mのミナレット(光塔)は、このタイプのミナレットとして、世界でもっとも高い。アガデスには、先祖伝来の文化や交易の伝統・手工芸の伝統が今日まで受け継がれており、他であまり見ることがない洗練された土の建造物を鑑賞することができる。◇英名はHistoric Centre of Agadez