最新 地学事典 「アスタティック磁力計」の解説
アスタティックじりょくけい
アスタティック磁力計
astatic magnetometer
無定位磁力計とも。微弱な残留磁化・誘導磁化の測定に用いる。構造は,同じ大きさの小さな棒磁石2個を10cm程度離して非磁性の軸の上下に反平行に固定し,この軸を温度変化や回転トルクの小さな石英などの糸で吊るす。この磁石系は外部磁場の変動に対してほぼ中立的にふるまうが,試料を下側の磁石に近づけると相互作用によりトルクが生じて磁石系が回転する。この回転角度は試料の磁化に比例しており,光梃子などで拡大して読み取る。電子部品などを使用しないきわめて簡単な構造であるが,熟練者が調整すると10-9 Am2程度の磁気モーメントまで測定できる。振動や磁気ノイズに弱いのが欠点。P.M.S.Blackettによって,巨大回転体が発生するかもしれない磁場を測定するために1940年代に開発され,初期の古地磁気学の主要な測定器となった。
執筆者:水野 浩雄・鳥居 雅之
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

