精選版 日本国語大辞典 「あずる」の意味・読み・例文・類語
あず・る
- 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
- ① あがく。もがく。また、睡眠中に動きまわる。
- [初出の実例]「どの様にもがいても、可愛ともいぢらしいとも何とも思わぬ、あづるならあづらしておいたがよいわいなふ」(出典:歌舞伎・霧太郎天狗酒宴(1761)四幕)
- 「唯だ単に寝態を崩してゐる者三分、あずったが故に二人の体が触れ合ってゐる者三分」(出典:女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉一六)
- ② 忙しくする。奔走する。
- [初出の実例]「物事鬧(いそが)はしく取扱ふを、あづるといひ」(出典:両京俚言考(1868‐70頃))
- ③ 窮する。
- [初出の実例]「此国にて、窮することをあずるといふは、足摺(あしすり)なり」(出典:秋長夜話(1781‐1801頃))