家庭医学館 「あせものより」の解説
あせものより【Hidradenitis Suppurativa】
あせもが長引いたり、治療が遅れてひどくなると、直径1cm以上もある膿(うみ)をもったおできになることがあります。これが、あせものよりです。
[症状]
頭、顔にできることが多いのですが、体幹部(たいかんぶ)(胴体(どうたい))でもあせもができたところにみられます。膿をもつだけではなく、赤み、ぶよぶよとした腫(は)れになり、痛みをともなうこともよくあります。赤ちゃんでは熱を出すこともあります。
[原因]
人の汗腺(かんせん)には、エックリン腺とアポクリン腺の2種類があります。あせもはエックリン腺が分泌(ぶんぴつ)する汗が貯留(ちょりゅう)して閉塞(へいそく)したものですが、そこに細菌が感染するとあせものよりになります。
[治療]
原因菌に合った抗生物質を内服することが第一です。痛みをとり、早く治すためには、病院で患部を切開して膿を出してもらうほうがよいでしょう。
頭部にできたあせものよりは、切開した場所の消毒をおこたらず、抗生物質入りの塗り薬を使い、なるべく1週間以内に軽快させるようにします。そうでないと、汗腺付近の毛根(もうこん)が障害され、毛髪が生えなくなってしまうことがあるのです。