アッサム地震(読み)あっさむじしん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アッサム地震」の意味・わかりやすい解説

アッサム地震
あっさむじしん

インドのアッサム地方に多発する地震。隣接する中国では西蔵地震(チベットじしん)とよばれる。インド大陸とアジア大陸とが衝突するヒマラヤ周辺には多くの地震が発生する。その震央分布は、ヒマラヤ連峰とその両翼部に集中し、西翼部のヒンドゥー・クシの深発地震とともに、東翼部のアッサム地方には、1897年6月12日の地震に代表される巨大地震が多発する。この地震の際、大小たくさんの石が、地面に擦り跡を残さずに飛び上がったといわれており、地震に伴う加速度は重力加速度を超えるほど大きかったと考えられている。また、1950年8月15日の地震はマグニチュード(M)8.6で、1960年のチリ地震、1964年のアラスカ地震と並ぶ大地震で、インド、チベットのみならず近隣諸国300万平方キロメートルに及ぶ地域を震撼(しんかん)させた。震源は深さ50キロメートルで、道路、鉄道、橋、建物などが破壊され、地すべりなどの被害が多く、約4000人もの死者があった。

[脇田 宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android