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深発地震 しんぱつじしんdeep focus earthquake

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

深発地震
しんぱつじしん
deep focus earthquake

震源の深さが 300km以上の地震。地震・気象学者の和達清夫によって 1927年に発見された。発生する地域は,日本列島カムチャツカ半島,トンガ諸島,フィジー諸島,南アメリカ大陸西岸などのプレートの沈み込み帯にかぎられる(→プレートテクトニクス)。太平洋側から大陸側へ向かって 30°~60°の角度で徐々に深くなる傾斜面上に並んで発生する傾向があり,沈み込んだ海洋プレート(沈み込みプレート)内で発生していると考えられる。最も深いもので深さ約 700kmのものも知られる。深さ 70kmくらいから 300kmの間で発生する地震を「やや深発地震」と呼ぶ。

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デジタル大辞泉の解説

しんぱつ‐じしん〔‐ヂシン〕【深発地震】

震源の深さが300キロより深い所で起こる地震。70キロ以上300キロ未満の深さで起こるものは「やや深発地震」という。→浅発(せんぱつ)地震

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百科事典マイペディアの解説

深発地震【しんぱつじしん】

震源の深さが60〜100kmより深い地震。50〜60kmより浅いものは浅発地震という。また,深さ60〜300kmの地震をやや深発地震,300km以深のものを深発地震と呼んで区別する場合もある。
→関連項目地震地震学和達清夫

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世界大百科事典 第2版の解説

しんぱつじしん【深発地震】

震源の深さが100kmを超えるような深い地震を一般に深発地震と呼ぶ場合が多いが,深さ60kmから300kmまでの地震を“やや深発地震”,300kmより深いものを深発地震と呼んで区別する場合もある。世界で最も深い地震は720km,日本付近では600km程度である。このような地球内部の深い場所に地震が実際に起こっていることを確証したのは,日本の地震学者和達清夫である。和達の研究によって,太平洋側から日本列島下に北西―西―南西方向へ傾斜する深発地震面が存在することが初めて明らかとなった。

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大辞林 第三版の解説

しんぱつじしん【深発地震】

震源の深さが100キロメートル 程度より深い地震。80から300キロメートル 未満のものを「やや深発地震」、300キロメートル 以上深いものを「深発地震」として区別する場合がある。 → 浅発地震

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

深発地震
しんぱつじしん

震源の深さが数十キロメートル以上の地震。60~70キロメートルより深い地震をやや深発地震、300キロメートルより深い地震を深発地震と分ける場合もある。深発地震は沈み込んだプレート(スラブ)の中で発生するもの(スラブ内地震)がほとんどで、弧状列島海溝側で浅く、大陸側に向かうにつれて深く分布し、海溝から沈み込む海のプレートの形状を表している。もっとも深い地震でも深さ650キロメートル程度である。和達清夫(わだちきよお)は1920年代に深発地震を発見し、30年代にその分布形状の特徴を明らかにした。深発地震はその震源が深いため、被害が出ることはまれだが、1993年(平成5)の釧路沖地震(震源の深さ100キロメートル、マグニチュード7.5)のように規模が大きい場合には犠牲者を生じることもある。[島崎邦彦]

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世界大百科事典内の深発地震の言及

【異常震域】より

…ふつうの浅発地震では,地震動は震央の付近でもっとも強く,震央から離れるにつれて弱くなり,遠い地点では人体に感じられない。ところが深発地震では,震央の付近では無感であるのに,数百kmも離れた地域で感じられ,震度3~4に達することもある。このように地震動が異常に強く感じられる地域を異常震域という。…

【結晶構造】より

…このカンラン石は地球内部の主要な構成物質であるので,それで構成されている岩体がなんらかの運動によって上記の物理条件をもつ地球深部(約400km)まで運ばれると,スピネルへの相変化を起こし,そのとき急激に体積が減少することになる。深発地震の原因は一つの可能性としてこのようなカンラン石→スピネルの相変化により誘発されるのではないかと想像されている。このように,幾何学模様で表される結晶構造の研究は,われわれを脅やかす自然の巨大エネルギーとも関連をもっている。…

【地震】より

… 地震には震源がほとんど地表付近のごく浅い地震から,700kmも深い所に起こるものまで,さまざまな深さのものがある。震源の深さが70km(または60km)未満の地震を浅発地震,70km(または60km)以上300km未満をやや深発地震,300km以上を深発地震ということが多い。しかし70kmあるいは300kmの深さを境として地震の性質が急に変わるわけではないので,この分類はまったく便宜的なものである。…

※「深発地震」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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