あの

精選版 日本国語大辞典「あの」の解説

あ‐の

[1] 〘連体〙 (彼) (代名詞「あ」に格助詞「の」の付いたもの。古くは連語)
① 代名詞「あれ」の指し示す範囲の事柄を修飾する。かの。
(イ) 話し手、聞き手両者から離れた事物、人などを指し示す。
※竹取(9C末‐10C初)「さし籠めて、守り戦ふべきしたくみをしたりとも、あの国の人をえ戦はぬなり」
(ロ) 過去の経験や目の前にない事物、人など、話し手、聞き手両者に共通の話題を指し示す。かの。いつかの。
※虎明本狂言・今参(室町末‐近世初)「いつのならひに、あのあらくもしひ弁慶と判官殿のおちぎりやった事が有ぞ」
② 念を押し、または叱責の意を込めて、感動詞的に用いる。
※虎明本狂言・入間川(室町末‐近世初)「あのたらしが、やるまひぞやるまひぞ」
[2] 〘感動〙
① はやしことばとして用いる。
※風俗歌拾遺(承徳本古謡集所収)(11C頃)陸奥風俗「名取川幾瀬か渡るや七瀬とも八瀬とも知らずや夜し来しかば安乃(アノ)
② 話につまったり、ためらったりした時の、つなぎのことば。あのう。
※洒落本・妓者呼子鳥(1777)三「『サアおとみぼうさしやせう。〈〉』『アノこれでかへ』」

あの

〘名〙 =あのう(穴生)(二)
和訓栞(1777‐1862)「あの。近江地志に、石垣を築く者を、あのといふは、近江阿野の里人始て築きしよりの名也といへり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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