アブソープション・アプローチ(読み)アブソープションアプローチ

百科事典マイペディア の解説

アブソープション・アプローチ

財の取引量(フロー)により為替水準決定を説明すること。国内需要(アブソープション)がGNP国民総生産)を上回ればその分は輸入でまかなう必要があり,その結果貿易収支は赤字になる(逆の場合は黒字)。この関係に基づき,国際収支調整メカニズムから為替相場決定を分析する。ただ,これらの効果実測はされておらず,またストック概念を無視しているとの批判もある。
→関連項目為替相場の決定要因

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アブソープション・アプローチ
absorption approach

国内支出 (アブソープション) は,短期においては輸出一定の下で輸入のレベルを決定し,それが為替レートを決定するというもの。国内支出が GNPを上回ると,その差は輸入で埋められ,逆に下回るとその差は輸出となって吐き出される。国際金融取引が活発となった現在では,単に財市場で為替レートが決定されるとするアブソープション・アプローチよりも,金融市場を含めたストック市場において為替レートが決定されるとするアセット・アプローチのほうが一般的な議論となりつつある。

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