霰石(読み)アラレイシ(英語表記)aragonite

デジタル大辞泉 「霰石」の意味・読み・例文・類語

あられ‐いし【×霰石】

炭酸カルシウムからなる鉱物成分方解石と同じであるが、結晶構造が異なる。多く柱状塊状・豆粒状で、白色斜方晶系アラゴナイト

さん‐せき【×霰石】

あられいし。

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精選版 日本国語大辞典 「霰石」の意味・読み・例文・類語

あられ‐いし【霰石】

〘名〙
① 炭酸カルシウムを主成分とする鉱物の一種生物の殻や骨格真珠などの構成物。柱状、繊維状、あられ状の結晶をなし、火山岩割れ目や、高温の温泉などから産出する。島根県松代鉱山の粘土中の結晶集合体は天然記念物。〔鉱物字彙(1890)〕
② 「ほうかいせき(方解石)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

さん‐せき【霰石】

〘名〙 =あられいし(霰石)①〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「霰石」の意味・わかりやすい解説

霰石
あられいし
aragonite

CaCO3方解石と同質多形の炭酸カルシウムの鉱物。斜方晶系。低圧条件下で安定な方解石に対して,霰石は高圧条件下で安定。藍晶石が安定な圧力とほぼ等しい圧力条件下で,方解石が霰石に転移する。柱状,塊状,繊維状,ときに豆状などの形で産出する。方解石よりも硬度が高く,比重も大きいことから区別がつけられる。硬度 3.5~4,比重 2.947。温泉沈殿物,火山岩の晶洞鉱物,熱水鉱床の脈石鉱物,貝殻の構成鉱物などは準安定相の霰石で,真珠など石灰質の殻には方解石とともに存在する。

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