日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルバジーノ」の意味・わかりやすい解説
アルバジーノ
あるばじーの
Alberto Arbasino
(1930― )
イタリアの小説家、評論家。反ネオレアリズモと言語実験主義を唱えた「63年グループ」、さらに「新前衛派」に属して、小説と文明批評の2分野に活躍している。長編『消えた少年』(1959)は欧米の文学作品からの引用約180を脚注に組み込み、それらが本文と切れ目なく混合して、特異な批評小説になっている。小説の代表作では『イタリアの同胞』(1963、新版1976)、『スーペルエリオガバーロ』(1969)、『頑固な王子』(1972)、前衛的な評論集には『ある種の小説』(1964)、『オフ・オフ』(1968)、『作家の異相60』(1971)、またルポルタージュに『イタリアの幻影』(1977)、『この国に』(1978)など。注目すべきその後の作品に、詩集『詩のコンサート』(1983)、美術評論集『すばらしきもの、むしろ』(1985)がある。また、共和党選出の国会議員(1983~1987)にもなった。
[河島英昭]