改訂新版 世界大百科事典 「アルバノ山地」の意味・わかりやすい解説
アルバノ山地 (アルバノさんち)
Colli Albani
イタリア中部,ローマの南東約20kmにある山地。第三紀から第四紀初めにかけて噴出した火山岩から成り,アルバノ湖,ネミNemi湖の二つのカルデラ湖がある。最高峰はカーボ山(942m)で,無線基地になっている。ローマに近く,美しい景色に恵まれ,夏の暑気を逃れることができるため,古代ローマの頃から貴族や富裕階級の別荘地として知られ,現在でもローマ市民の行楽地である。ブドウの産地としても有名。アルバノ山地の丘の上にある一連の集落はカステリ・ロマーニと呼ばれ,そのひとつカステル・ガンドルフォには教皇の夏の別荘がある。ネミ湖はターナーの絵によっても有名であり,また近年,湖底からローマ時代の船が発見された。
執筆者:竹内 啓一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報