山川 世界史小辞典 改訂新版 「アロー号事件」の解説
アロー号事件(アローごうじけん)
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清末,1856年10月8日,イギリス国旗を掲げて広州の埠頭(ふとう)に停泊していた小帆船アロー号の中国人水夫を,海賊の疑いで清国官憲が逮捕したことから起こった清英間の紛争で,いわゆるアロー戦争の発端になった。イギリス領事は,イギリス船籍を有するアロー号(所有主は中国人)の水夫を清国官憲がイギリス当局に無断で逮捕し,国旗を侮辱したことを不当として清国側に厳重抗議した。さらに長い間懸案になっていた外国人の広州入城の許可を強要した。清国側は水夫の釈放には応じたけれども,その他の要求は拒否したため,イギリスはこれを不当として10月23日から広州攻撃を開始し,アロー戦争を起こした。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報