精選版 日本国語大辞典 「埠頭」の意味・読み・例文・類語
ふ‐とう【埠頭】
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旅客・貨物に対する水陸連絡のために、各種の施設が総合的に配置された区域であり、港湾の果たす機能のうち中核となる場所である。埠頭のもつ各種の施設には次のようなものがある。(1)岸壁、桟橋など船舶を係留する係船施設、(2)貨物の積み下ろしを行う荷役機械、上屋(うわや)などの荷さばき施設、(3)貨物を長期間保管する倉庫、野積場(のづみば)などの保管施設、(4)道路、鉄道など旅客・貨物の輸送に供する臨港交通施設、(5)旅客の乗降や待合室などの旅客施設、(6)船舶への給水、給油、食糧補給などのサービスを行う補給施設、(7)船員のための休泊・診療に供する厚生施設、等々である。
[堀口孝男]
埠頭の平面形状としては、突堤式は横浜港、神戸港に多く、平行式は東京港や河港(かこう)(河川沿岸につくられた港)にみられる。切込み式は陸地を掘削するもので、潮差が大きいと水門によって閉ざすロンドン港の形式となる。島式はばら荷の取り扱いに有利であり、双子式は大小船舶の喫水にあわせた突堤形式で、横浜の新港埠頭がそれである。掘込み式は1935年インドで始められた形式を利用したもので、昭和30年代以降各地で施工され、荒い外海を敬遠して内陸の水路で静穏化したものである。専門埠頭ではあるがコンテナ埠頭は、今後の港湾界にもっとも影響を及ぼすものである。雑貨の90%以上がコンテナ輸送となり、コンテナ船の大型化により、水深13~14メートルの埠頭の建設が急がれる状況となっている。
[堀口孝男]
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…この両面で目だった進展を見なかった第2次大戦前と戦後しばらくの時代,港湾は従来の伝統的な形態を続けてきた。つまり,これまでの港湾は,技術革新のテンポが緩慢であったことと,荷主産業の貿易取引単位が比較的小規模であったことから,港湾の大規模化,物資別専門埠頭(ふとう)化,荷主別専用埠頭化などの合理化,近代化があまり進まなかった。これが1950年代後半に入って世界の先進工業国が戦災の復興を成し遂げ,重化学工業を基幹とする飛躍的な経済の拡大発展とハイペースな技術革新との時代を迎えると,それまでの伝統的港湾形態は大きく変貌を遂げることとなった。…
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