最新 地学事典 「アンチモン鉱床」の解説
アンチモンこうしょう
アンチモン鉱床
antimony deposit
ほとんどが低温・浅成の熱水鉱床と考えられ,低温の熱水系に特徴的なHg・As鉱物を伴うことも多い。主要鉱石鉱物は輝安鉱,一部でベルチエ鉱・Sb硫塩鉱物,また酸化帯ではアンチモン華も重要。形態は脈状のほか岩石の空隙を埋めたり石灰岩を交代した不規則塊状など。鉱物共生により二大別される。1)単純な共生をもつ鉱床。主に輝安鉱と石英からなり,少量の黄鉄鉱・硫砒鉄鉱・セリサイト・方解石などを伴う。中国の錫鉱山鉱床が著名。明治時代に美晶を産したことで有名な市ノ川鉱山もこの例。鉱液の起原が明らかでないことも多い。2)複雑な共生をもつ鉱床。Au・Wなどを伴い,黄鉄鉱・硫砒鉄鉱・自然金・灰重石・辰砂・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・黄銅鉱・安四面銅鉱・各種硫塩鉱物などと産出。脈石鉱物は石英・ドロマイトなど。Auを伴う例は津具・中瀬鉱山など。Au・Wを伴う例は中国湖南省安化鉱床地域など。Au・W・Zn・Pbなどを採掘し,Sbは副産物として回収。
執筆者:島崎 英彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

