日本大百科全書(ニッポニカ) 「津具」の意味・わかりやすい解説
津具
つぐ
愛知県東部、北設楽郡(きたしたらぐん)にあった旧村名(津具村(むら))。2005年(平成17)設楽町に合併、現在は同町の北東部を占める一地区。中央を大入(おおにゅう)川が東流する。標高は約700メートルの高原の村で、林業のほか、高原トマト、シクラメンの栽培も行われている。津具高原は天竜奥三河国定公園に含まれ、アウトドアパークの「つぐ高原グリーンパーク」がある。上(かみ)津具は江戸時代中馬(ちゅうま)街道といわれる伊那(いな)街道の宿場。東栄(とうえい)町、豊根(とよね)村とともに民俗芸能「花祭」(重要無形民俗文化財)が伝承され、史跡も多い。津具民俗資料館は国指定の重要有形民俗文化財130点を含む山樵用具および加工品などを展示しており、近くに鞍船(くらふね)・大根平(おおねだいら)縄文遺跡(県指定史跡)がある。また、武田信玄(しんげん)が発見したという津具金山跡がある。
[伊藤郷平]