アンフィトリュオン(その他表記)Amphitryon

翻訳|Amphitryon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンフィトリュオン」の意味・わかりやすい解説

アンフィトリュオン
Amphitryon

ギリシア神話英雄アルカイオスの息子。父の跡を継いでミケーネ王となった伯父エレクトリュオンの娘アルクメネと婚約していたが,あるとき誤ってエレクトリュオンを殺してしまい,アルクメネを連れてテーベのクレオン王のもとに亡命した。結婚の条件に,アルクメネから兄弟の仇であるプテレラオス王を討つことを要求され,出征した間に,アルクメネはアンフィトリュオンの姿をかりて彼女を欺いたゼウスと関係をもち,そのあとで凱旋した彼と結婚したので,アルクメネからは,彼の種によるイフィクレスと,ゼウスの息子ヘラクレスとの双子が生れたとされる。

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百科事典マイペディア 「アンフィトリュオン」の意味・わかりやすい解説

アンフィトリュオン

ギリシア伝説でティリュンス王アルカイオスの子。誤って叔父エレクトリュオンを殺したので,妻アルクメネとともにテーバイに亡命。プラウトゥスドライデン,モリエール,ジロードゥーなどの作品で扱われている。

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世界大百科事典(旧版)内のアンフィトリュオンの言及

【ヘラクレス】より

…そこから英語ではハーキュリーズ,フランス語ではエルキュールという。 ゼウスがアンフィトリュオンAmphitryōnの妻アルクメネAlkmēnē(二人とも英雄ペルセウスの孫)に生ませた子で,彼がテーバイの地で生まれようとした日,ゼウスは妃ヘラに,今日生まれるペルセウスの後裔はアルゴスの支配者となろうと語った。つねづね夫の素行に目を光らせていたヘラはこれを聞くと,お産の女神エイレイテュイアEileithyiaに命じてヘラクレスの誕生を遅れさせる一方,アルクメネの従兄にあたるアルゴス王ステネロスSthenelosの子エウリュステウスEurystheusを先に生まれさせた。…

※「アンフィトリュオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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