改訂新版 世界大百科事典 「アンマーン」の意味・わかりやすい解説
アンマーン
`Ammān
ヨルダン北西部にある同国の首都。人口125万(2003)。ヨルダン川の東約75kmの標高約720mの台地にある。北方のダマスクス,ベイルート,南方のマアーンと鉄道によって結ばれている。アンマーンの名称は,聖書におけるアンモンの子孫が建てた都市ラバト・アンモンに由来する。ヘレニズム時代にフィラデルフィアと改称され,その後ローマ時代,ビザンティン時代はこの名称が用いられた。7世紀にビザンティン帝国の支配が崩壊したあと古代の名称が復活したが,その後衰退し,14世紀には遺跡が残るのみと記されている。近代におけるアンマーンの最初の住民は19世紀にオスマン帝国によって連れてこられたチェルケス人である。1921年,新しく建設されたトランス・ヨルダンの首都となる。第2次世界大戦後は,ヨルダンの発展や中東戦争によってもたらされたパレスティナ難民の流入などによって飛躍的に拡大した。
執筆者:木村 喜博
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