アーサーの死(読み)アーサーのし(その他表記)Morte Darthur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アーサーの死」の意味・わかりやすい解説

アーサーの死
アーサーのし
Morte Darthur

イギリスの散文作家 T.マロリーによるアーサー王伝説の集大成。 1469~70年頃に完成。全 21巻。 85年 W.カクストンによって出版された。8編の物語から成り,アーサーの誕生から即位円卓の騎士の恋や冒険などを含み,王妃グイネビアとランスロット姦通と王の不倫の子モードレッドの裏切りから,彼の王国は崩壊し,王は重傷のままアバロン島の谷間へと船で去り,王妃もランスロットも世を捨てるところで終る。後代の作家に大きな影響を与え,イギリス文学に限っても,スペンサードライデンアーノルドモリステニソンスウィンバーン,A.シモンズ,ハーディ,メースフィールドなど,おびただしい数にのぼる。

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関連語 円卓

世界大百科事典(旧版)内のアーサーの死の言及

【アーサー王伝説】より

…〈トリスタン伝説〉については,アングロ・ノルマン人トマやノルマンディーの人ベルールらの作品において,すでにアーサー王伝説に結びつけられている。中世におけるアーサー王物語の最後の集大成は,15世紀イギリスの騎士,トマス・マロリーの散文《アーサーの死》によって成就する。中世におけるアーサー王伝説発展の理由はさまざま考えられるが,この伝説の含む恋愛観,倫理観,幻想的な諸要素などが,騎士道,宮廷風恋愛といった諸習慣を生み出した文化的・精神的風土の嗜好に投じたことは容易に想像できる。…

※「アーサーの死」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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