スウィンバーン(読み)すうぃんばーん(英語表記)Algernon Charles Swinburne

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スウィンバーン」の意味・わかりやすい解説

スウィンバーン
Swinburne, Algernon Charles

[生]1837.4.5. ロンドン
[没]1909.4.10. ロンドン
イギリス詩人。オックスフォード大学でギリシア詩に熱中,またイタリア,フランス文学にも親しみ,多くの詩を書いたが,ギリシア風の詩劇『キャリドンのアタランタ』 Atalanta in Calydon (1865) で初めて本領とする韻律技巧の円熟をみせた。代表作はイギリス俗物主義への反抗を示した異教的官能的な『詩と歌謡』 Poems and Ballads (3巻,66~89) や,イタリア独立運動に刺激された『日の出前の歌』 Songs Before Sunrise (71) などである。最も完璧な技法の長詩『ライオネスのトリストラム』 Tristram of Lyonesse (82) 以後は創作力が衰えた。ほかに悲劇の作もあり,シェークスピア,ユゴー,B.ジョンソンらに関する批評,また詩論や小説論もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スウィンバーン」の意味・わかりやすい解説

スウィンバーン
すうぃんばーん
Algernon Charles Swinburne
(1837―1909)

イギリスの詩人。オックスフォード大学在学中から華麗な詩才をうたわれ、年を追って異教的耽美(たんび)主義の傾向を強めた。ギリシア悲劇風の劇詩『カリュドンのアタランタ』(1865)で文名を確立し、独自の詩風は群を抜いていたが、ビクトリア王朝期の道徳主義派から激しい非難を浴びた。イギリス世紀末文学の強力な代表者

川崎寿彦

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