アートブレーキー(読み)あーとぶれーきー

20世紀西洋人名事典 「アートブレーキー」の解説

アート ブレーキー
Art Blakey


1919.10.11 - 1990.10.16
米国のジャズ・ドラム奏者。
ピッツバーグ生まれ。
イスラム名Abdullāh ibn Buhaima。
ピアノ奏者を経て、ドラマーに転向し、1939年フレッチャー・ヘンダーソン楽団に入団。その後ビ・パップを身につけ’44〜47年ビリー・エクスタイン楽団に入団。’52年四重奏団結成。’54年五重奏団結成。’55年ジャズ・メッセンジャーズ結成。’59年「モーニン」が大ヒット。躍動的なリズムビート、派手なロールと強烈なシンバル・ワークを特長とするドラミングは熱情あふれるもので特に長いドラム・ソロは聴衆をわかせた。常に優秀な若手奏者を発掘して楽団員に加え、前向きの姿勢で活躍を続ける。’61年初来日。他の作品に「サンジェルマンブレーキー」(’58年)等。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアートブレーキーの言及

【ジャズ】より


[モダン・ジャズの成熟]
 1950年代後半にいたり,それまで鳴りをひそめていたニューヨークの黒人ジャズが人気を盛り返した。グループ表現という点ではやや無秩序だったバップ・イディオムを,コンボ形式の中で修正し,しかもインプロビゼーションimprovisation(即興演奏,アドリブと同意)を主体としたマイルス・デービス,ソニー・ロリンズ(T.ロリンズ),アート・ブレーキーArt Blakey(1919‐90,本名Abdullah Ibn Buhaina),マックス・ローチら黒人によるモダン・ジャズは,〈ハード・バップhard bop〉と呼ばれ,その力強く直截な表現は,ウェスト・コーストの白人プレーヤーによる,近代音楽との融合に傾いた実験的なジャズを圧倒する勢いをみせた。このころからアフリカでは黒人指導者たちによる独立が相次ぎ,アメリカ国内にあっては白人・黒人の共学問題,バス・ボイコット運動,公民権獲得運動など黒人差別撤廃の動きが大きくなった。…

※「アートブレーキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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