ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アーナンド」の意味・わかりやすい解説
アーナンド
Anand, Mulk Raj
[没]2004.9.28. プーナ
インドの作家。インドの英語小説の開祖で,貧困層からの搾取など,カースト制度の不公平さを扱った作品で知られた。パンジャブ大学,ケンブリッジ大学で学び,1929年ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジでイギリス哲学の博士号を取得した。『ペルシャ絵画』Persian Painting(1930),『インド・秘の美術』The Hindu View of Art(1933)など南アジア文化に関する著作を発表。『不可触民バクハの一日』Untouchable(1935),『クーリー』Coolie(1936),『葉っぱ二枚に芽一つよ』Two Leaves and a Bud(1937),『大いなる心』The Big Heart(1945,1980改訂)などの小説で,抑圧された人々の姿を描いた。ほかにも『村』The Village(1939),『黒いわだつみを越えて』Across the Black Waters(1940),『刀と鎌』The Sword and the Sickle(1942)の三部作や,7巻構成の自伝的小説(4巻まで発表)などがある。(→インド文学)
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