ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イスラム庭園」の意味・わかりやすい解説 イスラム庭園イスラムていえんIslamic gardens イスラム教の伝播に伴ってその勢力圏に展開した庭園の総称。コーランに,敬虔な信者が死後招かれる天上の楽園についての記述があるため,庭園は天上のパラダイスの雛型として特別の意味をもった。その原形は中東で一般にバーグと呼ばれる塀によって囲い込んだ敷地内にさまざまな果樹や草花を植込んだ園であった。イスラム世界は古代ペルシアの庭園文化から噴水と水路の構成を継承し,バーグにこの構成を重ね合せた独特の庭園の形式,すなわち噴水を中心に四方に流れる水路が庭を四分割するチャハル・バーグ (四分園) が成立した。中東を中心に広く分布しているが,現存するおもな地域はイラン,マグレブ,スペインのアンダルシア,インドである。特にグラナダのナスル朝のアルハンブラ宮殿の庭園は有名。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by