ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イダルゴ州」の意味・わかりやすい解説 イダルゴ〔州〕イダルゴHidalgo メキシコ中部内陸東寄りの州。州都パチュカ。州の北部から東部にかけては東マドレ山脈に属する山岳地帯で,標高 3000m級の高峰もそびえるのに対し,南部から西部にかけては半乾燥性の比較的平坦な台地で,メキシコ高原の一部をなす。気候は冷帯気候,温帯気候を含み,降水量の地域差も大きいため,イネをはじめとする各種穀物,コーヒー,マゲイ (リュウゼツランの一種で,その液からプルケと呼ばれる酒を醸造) ,コショウ,タバコなどさまざまな作物が栽培される。メキシコ有数の鉱業州で,鉱物資源に恵まれ,植民地時代から銀を中心に金,水銀,銅,鉄,アンチモン,硫黄,オパールなどが採掘されている。都市化は比較的進んでいるが,住民にはインディオが多く,なかにはオトミ族のように農業集落をなして昔ながらの生活や風俗を保っている部族もある。 10~12世紀にはトルテカ族が栄えた地で,州南西部にその首都であったトゥラの遺跡がある。アメリカ合衆国との国境の町マタモロスとメキシコ市を結ぶ幹線道路が州を縦断する。面積2万 813km2。人口 188万 632 (1990推計) 。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by