改訂新版 世界大百科事典 「イトシャジン」の意味・わかりやすい解説
イトシャジン
Campanula rotundifolia L.
キキョウ科の多年草で,乾燥した草地や砂丘や岩場などに生える。シベリア,中部ヨーロッパ,北アメリカに広く分布している。カンパニュラ類(英名bluebell)の重要な園芸植物にもなっている。茎は高さ15~40cm,根生葉の柄は長さ3~10cm,葉身は円形で径0.5~3cm,数個の粗い鋸歯がある。茎生葉は線形で幅1~5cm,鋸歯はない。花は単生または総状に数個つき,花柄は糸状,萼裂片も糸状で長さ5~8mm,鋸歯はない。花冠は漏斗状で深さ1~2cm,青紫色系,花柱は花冠より短い。6~9月に咲く。和名は,糸状の花柄や萼裂片により,学名のrotundifoliaは円形の葉を意味し,根生葉の葉身の形による。
執筆者:清水 建美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報