日本大百科全書(ニッポニカ) 「イトダニ」の意味・わかりやすい解説
イトダニ
いとだに / 糸蜱
uropodid mites
節足動物門クモ綱ダニ目イトダニ団に属するダニの総称。体長0.3~1.5ミリメートルで褐色。背面からみると前方がやや突出した円形または卵形、カメの子のようなユーモラスな姿である。成虫は自由生活性で、動植物の腐りかけたものを栄養源とし、土壌中に広く生息する。幼虫は肛門(こうもん)から糸状の分泌物を出して、糞虫(ふんちゅう)やシデムシなどの甲虫の体表に付着し、その体液を吸収することはないが、遠方へ運ばれる。ハマベイトダニUropoda oraria、マルフンイトダニUropoda japanoorbicularisなど日本だけで150種以上あり、南方へいくほど種類が多くなる。
[青木淳一]