イョータ運河(読み)イョータウンガ(その他表記)Götakanal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イョータ運河」の意味・わかりやすい解説

イョータ運河
いょーたうんが
Götakanal

スウェーデン南部、バルト海からベッテルン湖を経てベーネルン湖に至る運河。全長190.5キロメートル、うち運河部分は87キロメートル。さらにベーネルン湖から南へ流れ出るイョータ川によってイョーテボリに通じ、バルト海とカテガット海峡とを結ぶ水路をなしており、その総延長は388キロメートル。16世紀、グスタフ1世(バーサ王)、ブラスク司教により、内陸部を貫通して東西の海岸を結ぶ水路建設案が出されて以来、歴代国王の懸案となり、一部は完成したが、1800年トロルヘッテ運河の開通に伴い計画が本格化した。B・B・v・プラーテン伯爵は近代工業化のため運河の経済的効果が尽大だと主張し、1809年の国会は建設工事を承認、翌年工事が着手され、32年に竣工(しゅんこう)した。しかし、その後、鉄道を主とした陸上交通や大型蒸気船などが急速に発達したため、その効果は発揮されなかった。

[清原瑞彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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